こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

とってもヘルシーで、胃腸に優しい鶏肉!
あっさり・サッパリ食べたい日は、「むね肉」や「ささみ」をチョイス!
ジューシーで、プリっとした食感を楽しみたい日は、「もも肉」を。
部位により、味わいや肉質が異なる鶏肉は、
あらゆる料理に対応可能なので、食卓に上がる機会は多いのではないでしょうか。

牛肉や豚肉と比べると、お安くヘルシーですからね
外出先では、コンビニで「サラダチキン」が、手に入るようになり、
より身近な存在になりましたよね。
健康志向の高まりとともに、ファンが急増中の鶏肉!
今日は、そんな鶏肉の栄養や健康作用について、一緒に見ていきたいと思います
特徴
- 他のお肉よりお安い
- 高たんぱく・低脂質で、疲労回復を助ける「イミダゾールペプチド」が豊富に含まれる
- サラダのメニューとして簡単に利用できる
食の3大志向は、経済性・健康・簡便化といわれる中で
鶏肉は、こういった消費者のニーズに応える、優秀な食材であることは間違いありませんね。


部位
味わいや肉質は、各部位によって明確に違います。
特 徴 | |
むね肉 | 柔らかく適度な弾力 あっさり淡泊 |
ささみ | 柔らかい食感 淡泊 |
もも肉 | 適度な油プリっとした食感 コクのある味わい |
素材が低脂質なので、油を使った料理もトライできそうです。
お腹の調子に、合わせてくださいね!

潰瘍性大腸炎と鶏肉
潰瘍性大腸炎の場合、何のお肉がいけない、という検証はありませんが、
食事の基本は、「低脂質」ですので、牛肉や豚肉と比べると、鶏肉は選びやすい食材でしょう。
低脂質については、極力油を控える!ということではなく、
「過剰摂取をしない」ということが大切です。
脂質は、体に必要な栄養素ですから、1日の目安量を知り、
その範囲で上手に摂るように、心がけてください。
また消化吸収が良く、胃腸に優しいため、お子様・高齢者・お腹の弱いかた、
体調が優れない時・食欲がない時に適した食材です。
成分
鶏肉は、アミノ酸スコアの、最高値である「100」を示す食品です。
アミノ酸スコアとは、簡単にお伝えすると「タンパク質のバランスの良さ」。
鶏肉はどの部分をとっても、「100」という値を示します。
スコアが高いほど、「優秀なタンパク質」と認定されます。

タンパク質は、私たちの心やからだを作る、大事な栄養素です
むね肉皮なし | ささみ | もも肉皮なし | |
エネルギー | 113kcal | 105kcal | 128kcal |
タンパク質 | 24.4g | 24.6g | 22.0g |
脂質 | 1.9g | 1.1g | 4.8g |
鶏肉は低脂質ですが、「皮つき」になると、脂質量が大幅にアップします。
- 皮つき・むね肉:「17.2g」
- 皮つき・もも肉:「19.1g 」
そのほか、ビタミンAや、ビタミンB2/6、
イミダゾールペプチド、などを多く含んでいます。
健康作用

主な栄養素と、特徴的な成分を見てみましょう
ビタミンA
ビタミンAは、細胞の成長に、必要な栄養素です。
皮膚や粘膜の健康を守り、目の機能をサポートするほか、
活性酸素を抑制する作用があります。
潰瘍性大腸炎の発症に、予防的であることが発表されていますよ。

詳しくは、ビタミンAの記事をご覧くださいね
ビタミンB2/6
「ビタミンB2」は、三大栄養素の代謝をサポートし、細胞の再生や、新生を助けます。
活性酸素が作り上げた、有害な過酸化脂質を、消し去る働きがあります。
「ビタミンB6」は、タンパク質の代謝や、
脳の神経伝達物質をつくる、サポートしています。
イミダゾールペプチド
イミダゾールペプチドは、魚・鳥類の筋肉に、含まれています。
その最大の効果は、疲労物質である、乳酸の分解を促進し、
疲れを溜まりにくくすること。
鳥類が休むことなく飛行を続けられるのは、
イミダゾールペプチドの働きが、あるからなんですよ

また強力な抗酸化作用をもち、からだをサビからまもる、働きがあります
疲労は、心の症状を伴う「精神的な疲労」と、
からだの症状を伴う「肉体的な疲労」があり、
ともに活性酸素が、多く発生している状況なのですが、
この状況をそのままにしておくと、やがて病気を発症します。

私たちはこの活性酸素を、どこかで断たなければいけません
イミダゾールペプチドは、とくに羽を動かす「むね肉」に、多く含まれていますので、
鶏肉の中で、たいへんおすすめの部位なんですよ

活性酸素については、下記の記事をご覧下さいね
調理について
皮を取り除くかについてですが、
お肉自体が低脂質ですので、必ずしも取り除く必要はないでしょう。
脂質が過剰にならないよう、配慮すればよいのです。
油を使う調理法の時には、取り除くなど、工夫をするとよいでしょう。
相乗効果のある食品
互いの栄養がサポートし合い、
栄養素の効果や効能が、アップすることを「相乗効果」といいます。
からだに良い影響を与える、相性の良い食品がありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 大根おろし
- キャベツ
- ブロッコリー
- 人参
- 玉ねぎ
- トマト
- きのこ類
- 大豆
- さつまいも
- その他


注意点
生ものですので、しっかり加熱をすること。
食中毒のリスクを下げ、安全に調理をしましょう。
生ものを触ったあとは、手洗いをしてから、次の動作へ移ること。
シンクや調理器具の清潔を、心がけてくださいね
保存方法
鶏肉は水分が多いため、ほかのお肉と比べると、傷みやすいです
冷蔵庫に保存をしても、風味が保てるのは、長くて2日間です。
3日以内を目安に、消費期限に従うようにしましょう。早めに使い切りましょうね。
おすすめは、冷凍保存。
鮮度と風味を逃さないために、早めに保存しましょう。目安は3~4週間です。
下味をつけることで、硬さやパサつきを防ぐことができますよ。
方 法 | 保存目安 | |
生 | ラップや袋に密着させる | 冷蔵:3日以内 冷凍:3~4週間 |
加熱後 | 袋や蓋つきのタッパー 汁を一緒に入れること | 冷蔵:1週間以内 冷凍:3~4週間 |
茹でるなどして、加熱したあとのお肉は、汁を一緒に入れると、解凍した際しっとりします。
加熱する際、お酒やショウガなどはお好みで。
2枚・3枚入りのむね肉を購入し、週末に下ごしらえしておくと、お安く時短になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか
鶏肉は、高タンパクで、低脂質。
さらには、潰瘍性大腸炎の発症に、予防的と発表された「ビタミンA」や
疲労回復成分の、「イミダゾールペプチド」を含みます。
これらの成分は、放置すると病気につながる、「活性酸素」を抑制しますので、
潰瘍性大腸炎のタンパク源として、非常におすすめの食品と、いえるでしょう。
胃腸に優しいですので、体調の悪いときなど、ぜひご利用くださいね

今日もありがとうございました

お体ご自愛下さい

参考文献
- 食品成分表/2021/女子栄養大学出版
- cookpadレシピ
- 鶏肉の部位情報/kewpie
