- お腹の不快感が続く
- 体調を崩しやすい
- 体力がなく、疲れやすい
- 目の違和感を感じる・ものが見えにくい
- 皮膚の乾燥・角化のトラブルなど
お腹の症状に加えて、疲れやすく体がだるい、すぐに風邪をひくなど
長引く、不快な症状を抱え、悩んではいませんか?

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

【ビタミンA】と言えば、
抗酸化物質(こうさんかぶっしつ)ですよね。
大切な体が、サビないよう、「活性酸素」を、抑える働きをしています。
「活性酸素」は、潰瘍性大腸炎の発症や再燃に、深い関りを持っていますので、
過剰なのもは、なんとしても取り去りたいところ、
その手助けをしてくれるのが、【ビタミンA】なんですね。
さらには、のどや鼻、腸の粘膜を強化し、
細菌やウイルス、有害な物質の侵入を、防ぐ役割を持っているんですよ。
今日は、そんな【ビタミンA】の健康作用や、取り入れ方について、
一緒に見ていきたいと思います。
ビタミンAと潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎と、抗酸化物質の摂取との関係は、
全世界の、疫学研究成果を見ても、少ない状況でしたが、
愛媛大学「日本潰瘍性大腸炎研究グループ」により、
抗酸化物質である、ビタミンAの「レチノール」と、「ビタミンC」・「緑黄色野菜以外の野菜」が、
病気の発症リスクを下げた、という内容を発表しています。
愛媛大学大学院医学系研究科 世界初の研究成果!レチノール摂取が潰瘍性大腸炎発症に予防 論文発表 | プレスリリース | 愛媛大学プレスリリース資料はこちら(PDFファイル563KB)
潰瘍性大腸炎は、炎症を抑えるため、様々な治療が行われていますが、
日々の食事から摂る栄養素もまた、大切なお薬であり治療である、
ということを証明する、研究結果になったのではないでしょうか。。

活性酸素の記事を、ぜひご覧くださいね
ビタミンA について
レチノール・カロテノイド
【ビタミンA】は、
動物性食品に多くに含まれる、「レチノール」と、
植物性食品に多く含まれる、「カロテノイド」があります。
「レチノール」は体内で、活性型のレチノール・レチナール・レチノイン酸、として存在しています。
「カロテノイド」は、600種類以上あり、そのうち50種類が、「プロビタミンA」として働きます。
主なものに、「βカロテン」「αカロテン」「βクリプトキサンチン」、などがあり、
これらは、小腸上皮細胞で、【ビタミンA】に変換されています。

体内で、【ビタミンA】が不足した際に、必要なぶんだけが、【ビタミンA】に変換されているんですね。

変換された【ビタミンA】は、油と一緒に、小腸で吸収されますよ
その後、血液を循環し、肝臓や他の臓器へ運ばれ、タンパク質と結合し、
組織を、健全に維持する役割を担います。
作用
【ビタミンA】は、抗酸化作用のほか、目・皮膚・粘膜や、細胞の成長に関与しています。
- 視覚作用・目の健康を守る
- 皮膚や粘膜の保持
- 細胞の増殖・分化をコントロール
- 生殖作用
- 免疫作用に関与
- 抗酸化作用

体内に吸収された、ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保ち、
白血球などの、免疫細胞の働きを、活発にします。
のどや鼻、腸粘膜が、弱っていては、ウイルスや細菌・有害な物質の侵入を、防ぐことができません。
また、私たちの体を守る、免疫細胞の多くは、腸に存在しています。
この免疫細胞が、活発に働く条件が、良好な腸内環境と言われています。。
「免疫が高い状態」= 「良好な腸内環境」、ということをぜひ、覚えておいてくださいね
1日の目安量

上限値は、健康障害のリスクが、高まりますよ。という意味を持ちます
男性年齢 | 目 安 | 上 限 |
18~29 | 850 | 2700 |
30~49 | 900 | 2700 |
50~64 | 900 | 2700 |
女性年齢 | 目 安 | 上 限 |
18~29 | 650 | 2700 |
30~49 | 700 | 2700 |
50~64 | 700 | 2700 |
日本人の、平均摂取量は、男性「544 ㎍RAE」、女性「520 ㎍RAE」ですので、
摂り過ぎになる可能性は、低いと言えますが 、
サプリメントや、レバーなどの大量摂取により、過剰症を引き起こす場合があります。
急性の症状に、腹痛・吐き気・めまい。
慢性の症状に、頭痛・関節痛・骨痛 ・食欲不振 などがあります。

不足では、次のような症状が現れますよ
- 体調を崩しやすい・すぐ風邪をひく
- 体力がない
- 夜盲症(暗いところで物が見えない・やもうしょう)
- ドライアイ(角膜や粘膜を傷つけ視力低下や重症で失明に至る目の病気)
- 皮膚や粘膜上皮の角質化・肌の乾燥
食品

レチノールが多い食品

脂質や、タンパク質を含む食品に多いですね
- 牛・豚・鶏レバー
- あんこう
- 銀タラ
- ほたるいか
- うなぎ・あなご
- プロセスチーズ
- 牛乳
- 卵黄
- バター

カロテノイドが多い食品

葉物類に多いですね
- モロヘイヤ
- にんじん
- かぼちゃ
- ほうれん草
- 豆苗
- 大根葉
- しそ・ヨモギ・明日葉・パセリ
- 野菜ジュース濃縮
- みかん
調理の工夫

【ビタミンA】は、脂溶性のため、脂質と一緒に摂取することで、吸収が高まります。
そのまま摂取した時の吸収率は、「約10%」、
脂質と一緒に摂った場合は、「約50~70%」に上昇しますので、
油を使った炒め物や、ドレッシングサラダなどがおすすめです。

普段使いの油は、オリーブオイルにしましょうね。
魚介類・肉類と合わせて、葉物類を摂るのもおすすめです。
お肉の余分な脂は、上手にカットしてください。
硬い食材は、繊維を断ち、よく噛む、柔らかくするなどの工夫をして下さいね。

アレルギーがある場合や、お腹に合わない食品は、しっかり記録を残しておきましょう。
サプリメント
潰瘍性大腸炎は、バランスのとれた食事をすることが 難しいです。
次のような行動が、三大栄養素だけでなく、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取を困難にしています。
- 不快感のある食品を避ける
- 食事自体を控えてしまう
- 肉や野菜・乳製品を控えるなど
私たちは、健常者と比べると、栄養状態がアンバランスになりやすいため、
上手にサプリメントを、利用していくとよいでしょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか
潰瘍性大腸炎の、発症や再燃に関りのある、「活性酸素」。
体には、この活性酸素に対応する、システムが備わっていますが、
過剰に押し寄せるものに関しては、対応しきれないのが現状です。
そこで、非常に頼りになるのが、抗酸化物質と呼ばれる【ビタミンA】。
取り去るものは、活性酸素に留まりません。
粘膜を強化する作用を併せ持ち、有害物質の侵入を防いでくれますから、
ぜひですね、【ビタミンA】を含む食品を、毎日の食卓に迎えてください。

今日もありがとうございました

お体ご自愛下さいね

参考文献
- 厚生労働省 脂溶性ビタミンA:p164-169
- 食品成分表 2021 女子栄養大学出版