こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします！
一年を通して食べられる、なじみの根菜 大根！
サラダやお味噌汁、煮ものや漬物・おろしなど、
お料理のレパートリーが多く、毎日の食卓を、賑やかにしてくれる食材ですよね。
スーパーでは、1/2カットの大根を見かけます。
使い切れないかもしれない、そんなことを考えると、
部分買いのかたは、多いかもしれません。
大根は、上手に保存をすれば、1か月利用することができます。
週末に一本買いをして、下ごしらえをしておけば、
時短になりますし、お財布にも優しいですね！
今回は、そんな大根の栄養素や健康作用について、一緒に見ていきたいと思います。
大根の特徴・成分
大根は、95％が水分で作られています。
ずっしり重く・皮に張りがあり、葉の緑が濃い大根は、
根は「淡色野菜」、葉は「緑黄色野菜」のため、
両者の栄養素が、たっぷりと含まれているのが、特徴なんです。
葉に近い、上部に含まれる消化酵素「アミラーゼ」や、
根の先端に多い、辛味成分の「イソチオシアネート」が、胃腸をサポートします。
それだけではありませんよ
成分
「葉」の部分は、緑黄色野菜。
根より、多くの「食物繊維・ビタミンC」を含み、
根にはない、「β‐カロテン」が存在しています。
「根」は、葉に近い部分・中央部・先端にわかれ、
各場所で、水分や栄養素の割合が、異なります。
普段どの部分を、買われていましたか？
| 割合の多い成分・特徴 | 料 理 | |
| 葉の部分 （緑黄色野菜） | β-カロテン ビタミンC カルシウム 食物繊維 葉酸 カリウム | 味噌汁 炒め物 浅漬け |
| 根 葉に近い上部 （淡色野菜） | アミラーゼ ビタミンC 甘味・水分多め | おろし サラダ 酢の物 |
| 根・中央部 | 中間の栄養素・甘味と辛味 | 煮物 ふろふき |
| 根・先端部 | イソチオシアネート 食物繊維 辛味・水分少なめ | 漬物 炒め物 切り干し ピリ辛おろし |
主な健康作用
食物繊維
善玉菌が、食物繊維を発酵して、生成される、
「短鎖脂肪酸」の健康作用が、近年注目されています。
腸内環境が、もともと乱れている潰瘍性大腸炎では、
腸の狭窄がある場合や、活動期を除き、食物繊維は必須の栄養素です。
短鎖脂肪酸は、腸内環境を整えるとともに、
免疫細胞の機能に、影響を与え、炎症を抑制する働きを持ちます。
短鎖脂肪酸の詳細は、下記の記事をご覧くださいね
抗酸化物質
大根は、「抗酸化物質」と言われる 、β‐カロテン・ビタミンCを含みます。
抗酸化物質は、ストレスの一種である「活性酸素」を、抑制するのですが、
活性酸素が、抗酸化作用を、上回る状態が続くと、やがて病気を発症してしまいます。
活性酸素は、潰瘍性大腸炎の要因の一つともされていますよ
一本買いをおすすめする理由は、
葉の部分に、こういった栄養素が、多く含まれているからなんですね。
天然のお野菜に、胃腸に良いとされる、消化酵素や成分が含まれていることも、
魅力の一つでしょう。
アミラーゼ
アミラーゼは、唾液や膵臓から、分泌される「消化酵素」です。
ご飯やパンなど、「でんぷん」の分解を促進し、胃腸の働きを助ける作用があるため、
消化促進剤として、胃腸のお薬に配合されており、
胃もたれや、胸やけなどの症状を改善します。
イソチオシアネート
イソチオシアネートは、アブラナ科の野菜に含まれる、「からみ成分」、
切ったり・すりおろしたりすることで、生成されます。
熱に強い成分のため、炒める・煮るなどの調理法でも、問題ありません。
胃腸を刺激し、食欲を促進するほか、抗酸化・解毒・殺菌などの作用があります
カリウム
カリウムは、利尿作用があり、むくみの軽減や、血圧の調整を行います。
また、心臓や筋肉を動かす、サポートをしています。
料理の工夫
ビタミンCや、アミラーゼは熱に弱く、
イソチオシアネートは、熱に強いという特性がありますので、
調理法によって、どうしても失われがちな、栄養素があります。
熱に弱い栄養素は、生食でいただくことが好ましいですが、
調理時間を短くすることで損失を抑えることができますよ。
また、水にさらすと流出する栄養素は、電子レンジ調理や、
汁ごと摂取できるメニューを、おすすめします。
熱に弱く、空気に溶けだす、辛み成分は、食事の前にすりおろすと、効果を期待できます。
葉に含まれる、脂溶性のβ‐カロテン（ビタミンA）は、
油を使った料理で、吸収率が高まりますが、調理の際、油の量や質に気をつけましょう。
調理で失う栄養素については、サプリメントを上手に利用するとよいでしょう。
注意点
腎機能が落ちていると、「カリウム」を多く含む食品に、注意が必要です。
その際は、医師や栄養士の指示に、従ってくださいね。
同じ大根でも、「硬い漬物」、「切り干し大根」の摂取に、気をつけましょう。
どんな食品もそうですが、しっかりよく噛んで、過剰摂取をしないようにしましょうね
保存について
丸ごと一本、早速切り分けましょう
葉や茎がついていると、しなびやすいので、買ってきたら部分別に切り分けて、保存します。
葉が、バラバラにならないよう、1㎝ほど、茎の部分を含めてカット
根の部分を、上部・中央部・先端部の、三つの分けてカットします。
保存方法は、下記を参考にしてください。
| 方 法 | |
| 葉 | 湿らせたキッチンペーパーで 根元を包んでビニール袋へ |
| 上 部 | キッチンペーパーで包み ビニール袋へ |
| 中央部 | 〃 |
| 先端部 | 〃 |
根の部分を、一本で保存する場合は、新聞紙で包むと良いでしょう。
保存温度は、0～５℃ですので、「冷蔵室・野菜室」が良い環境ですね。
また、「冷凍保存」が可能です。
保存したものを、そのまま鍋に入れたり、自然解凍ですぐに使えます。
冷凍保存袋のほか、小分け用にアルミカップ・製氷トレーなどが便利ですね
保存目安は、1か月ありますので、一本買いでも安心です。
| 方 法 | 冷凍保存目安 | |
| 葉の部分 | 塩もみして絞る | 1か月 |
| おろし | 水気を切る | 〃 |
| 根 | 調理に合わせてカット | 〃 |
まとめ
いかがでしたでしょうか
大根は、葉の部分を含め、栄養価の高い食品です。
胃腸をサポートする、「消化酵素や成分」のほか、
整腸作用のある「食物繊維」、
抗酸化物資の「β‐カロテンや、ビタミンC」など、健康作用のある栄養素が、つまっています。
良好な腸内環境を保つために、食物繊維が必要ですし、
多様なストレスから、からだを守るため、抗酸化物質を取り入れる必要が、あります。
健康作用に、恵まれた大根をぜひ、毎日の食卓に迎えてくださいね！
今日もありがとうございました
お体ご自愛下さいね
ささみときゅうりと大根の激ウマ無限サラダ by おなかがぺこりん
参考文献
- 食品成分表2021/女子栄養大学出版
- ダイコンとれたて大百科/JAグループ
- COOKPAD/レシピ