- ストレス
- 寝不足
- オーバーワーク
- 食べ過ぎ・食生活の乱れ
- 食品添加物・加工食品
- タバコ・アルコール
- 化学物質・大気汚染
- その他
これらは、【活性酸素】を生成するもの、
あるいは、【活性酸素】そのもの、であったりします。
潰瘍性大腸炎の、発症や再燃が生じる際、実はこういった要素が、大きな関りを持っています。
当時を思い出して、何か気づくことは、ありませんか?

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

活性酸素は、その全てが悪ではありません
問題は、活性酸素が増えすぎた時に、正常な細胞や、遺伝子を攻撃する、ということです。
このような状態を放置しておくと、やがて病気を、引き起こしてしまうんですね。
日々の生活の中で、何か思い当たることがあれば、早めに対処していきましょう 。
今日は、【活性酸素】と腸の関りや、【活性酸素】にふたをする方法などを、
一緒に見ていきたいと思います。
活性酸素について
人は1日に、「約2.5Lの酸素」を、取り入れていますが、
このうち「2%程度」が、活性酸素へ形を変えます。
「活性酸素 = 体に良くないもの」、と思われるかもしれませんが、
実は良い働きもあります。

体内で、細菌やウイルスを、攻撃する役割をもっているんですよ
頼もしい存在なのですが、活性酸素が有り余ると、体の重要な遺伝子や、たんぱく質・脂質が、
サビついてしまうんですね。

他の物質を、酸化させる力が、とても強いのです
私たちの体は、活性酸素が増え過ぎないよう、活性酸素を無毒化したり、
働きを弱めたりする機能が、備わっているのですが、
その、機能を上回り、活性酸素が増え過ぎた状態を、「酸化ストレス」と呼んでいます。
酸化ストレスの長期化により、血管や、内臓が影響を受け、
病気を発症してしまう、ということです。

活性酸素の、関りが指摘される病気は、多く存在していますよ
- 心臓の病気
- 脳の病気
- がん
- 糖尿病
- 胃潰瘍
- アトピー性皮膚炎
- リウマチ
- 炎症性腸疾患
- その他
病気を発症すると、コントロールが非常に難しくなります。
なぜなら病気の存在が、新たな活性酸素を生むからです。
私たちは、活性酸素が過剰な状態を、どこかで断たなければいけません。

潰瘍性大腸炎と活性酸素
いまだ原因不明の潰瘍性大腸炎ですが、発症の背景に、多様なストレスが、
多く存在していることがわかっています。
心や体にストレスがかかると、「交感神経が優位」になり、ストレスに応戦するため、
「血圧や血糖」を上げたり、「顆粒球」という白血球の仲間を増やします。
顆粒球は、自ら発生させた活性酸素で、有害なものを攻撃しますが、
増え過ぎると、私たちの体を攻撃してしまうんですね。

潰瘍性大腸炎は、顆粒球が大腸に集まり、腸の粘膜を攻撃をしています。
顆粒球吸着療法(かりゅうきゅうきゅうちゃくりょうほう)、という治療法があります。
腸の粘膜に、顆粒球が多く集まらないよう、
血液を介し、顆粒球を吸着・体外へ排出する治療です。
本来、体をを守るはずの免疫細胞たちが、長期化する、酸化ストレスにより、
コントロールを失います。
日々の過剰なストレスに気づき、早めに回避できるよう、心がけてくださいね。

VS 活性酸素
では、どのように対処するか。
- 生活の中から、活性酸素を除去する
- 体内にある、抗酸化酵素をサポートする
- 抗酸化物質を、食品から取り入れる
上記の3点が、ポイントです
体の中で、活性酸素が過剰になっている状態を、私たちは、うかがい知ることはできません。
持病のある方も、ない方も、今の健康状態が、悪いほうへ転ばないよう、
日々の生活を見直し、修正していきましょう

抗酸化酵素 (こうさんかこうそ)
私たちの体に、存在している、「抗酸化酵素」は、
スーパー オキシド ディスムターゼ「SOD」、とも呼ばれています
強力な、抗酸化作用を持っており、酸化の原因である活性酸素を、除去する役割を持ちます。
抗酸化酵素(SOD) の材料は、魚介・肉類・豆類・卵・乳製品・豆類などの、タンパク質と、
亜鉛などの、ミネラルです。
- 亜鉛 :SODの主成分
- 銅 :SODの活性を促進
- マンガン: SODの材料
亜鉛は、抗酸化酵素の主成分、というだけでなく、
潰瘍性大腸炎において、重要な役割を果たしていますので、

ぜひ、亜鉛の記事をご覧下さい
抗酸化物質
抗酸化酵素は、加齢とともに、産生量が減少するため、
ストレスによる、消費が激しい場合などを考慮すると、
「抗酸化酵素」の代わりに、「抗酸化物質」を、体の外から補うことが必要です。
これらのバランスにより、私たちの健康、が守られています。

下記は、抗酸化物質の代表です
活性酸素の発生を抑え・消去し、細胞を守ったり、修復をします。
また、過酸化脂質という、体に害のある物質を、抑える働きがあります。
- ビタミンA : 卵黄・レバー・うなぎ・人参・ほうれん草など
- ビタミンC : オレンジ・レモン・ブロッコリー他
- ビタミンE : ナッツ類・かぼちゃなど
- βカロテン : ニンジン・ほうれん草など

食品の摂り方としては、単色ではなく、カラフルを意識するのが良いでしょう。
それぞれの良さを組み合わせることで、効果を上げることができます。
果物や野菜を使い、サラダや、ジュース、スープ、
炒め物や、煮ものなどで、毎食、取り入れられると良いですね。
下記のポイントや、記事を参考になさってください。
- ビタミンEは、 A・Cと一緒に摂取すると効果がアップします
- βカロテンは、油と調理すると吸収が良くなります
- ビタミンCは、流出しやすいため、汁ごといただける調理ほうがよいでしょう
- ブロッコリーのビタミンCは、過熱しても失われません
サプリメント
潰瘍性大腸炎は、バランスのとれた食事をすることが、難しいです。
次のような行動が、三大栄養素だけでなく、ビタミン・ミネラルの摂取を困難にしています。
- 不快感のある食品を避ける
- 食事自体を控えてしまう
- 肉や野菜・乳製品を控える
私たちは、健常者と比べると、栄養状態がアンバランスになりやすいです。
食品で補いきれない部分は、上手にサプリメントを、利用すると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか
ストレスを受け、活性酸素が過剰になった状態が、長期化すると、やがて病気が発症します。
活性酸素を、できる限り、生活の中から取り除いていきましょう
- 過度なストレスに気をつける
- オーバーワークをしない
- 過食・偏食をしない
- 食品添加物・加工食品・大量の飲酒を避ける
- 禁煙
- 激しい運動をしない
- 睡眠時間の確保
- 紫外線を浴び過ぎない
細胞が効率よく、修復する時間帯は、「22時~2時」です。
遅くても、日が変わらない間に、体を休めましょうね。
食品から、抗酸化物質や、酵素の材料をしっかり補い、
活性酸素に負けない体を、作っていきましょう。

お体ご自愛くださいね

今日も、ありがとうございました

参考文献
- e-ヘルスネット/厚生労働省 活性酸素と酸化ストレス
- 日本医学大学学会雑誌 第9巻 第3号
- 食品成分表 2021 女子栄養大学出版

