こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

あなたは下記の項目にどれくらい当てはまりますか?
チェックが「0~2個」というあなたの心は健康、ストレス解消が上手に出来ています。
「3~6個」→というあなたは 我慢できる程度のストレスを抱えています。ストレスに気づいていないということも!
「7~10個」のあなたはかなりのストレスを抱えています。これ以上酷くならないよう生活の見直しが必要ですね。
「11個以上~」というあなたはこころと体がとても辛い状況です。どのようにストレスに向き合うか対策が必要です。

あなた自身の健康を客観的に見ることができますので、ぜひチェックしてみてください。
それではまず「こころ」の様子について
- 集中力の低下・考えがまとまらない
- 楽しいはずなのに興味が持てない
- やる気が出ない
- 気持ちが沈む・人と話すのがおっくう
- 何かショックな事があると一人で抱え込んでしまう
- 怒りっぽいイライラする
- どうせ…うまくいかないと考えがち
- 判断ができない、したくない・逃げ出したい
- 自分を責める・価値がないと思う
- 最近思い通りにいかないことが多い
- お酒やたばこの量が増えた
続いては「からだ」の症状について
- 肩こり・腰痛・関節痛
- 眠れない・眠りが浅い
- 寝すぎてしまう
- だるさ・疲労感
- 食欲低下・あるいは暴飲暴食
- 動悸・息切れ
- 便秘・下痢・腹痛
- 頭痛・めまい
- 風邪をひきやすい
いかがでしたでしょうか。

人は「適度なストレス」ではなく「過度なストレス」になったとき、上記のような症状が現れ始めますよ。
自分ではそんなにストレスを感じていなかったにも関わらず、チェックが多かったあなたはストレスに「気づきにくい」傾向があります。
私たちは日々の生活に追われ、やらなければいけないことに振り回されています。多くの方が自分の好きなこと・趣味などが後回しなんですね。
「心が休まる時間が少ない」「心に余裕がない生活」は、ストレスや疲労を溜める原因に。
ストレスは目に見えませんので、ため込まないよう注意しなくてはなりません。

あなた自身の「こころ」や「からだ」の状態を知り、労わることを意識して生活することが大切ですね。
心身の症状改善の手がかりになれば幸いです。ぜひご一読ください。
ストレスは仕事だけじゃない


ストレスを引き起こす原因を「ストレッサー」、ストレッサーに対する心身の反応を「ストレス反応」と呼びます。
日常生活に潜むさまざまな「ストレッサー」を知ることで「ストレス反応」を和らげることができますよ。
ストレッサーの種類
物理的なもの
寒冷・騒音・放射線・パソコンやスマホなどの「ブルーライト」などが当てはまります。
化学的なもの
アルコール・タバコ・食品添加物・薬物・公害物質・酸素欠乏・金属など

化学物質や有害物質といわれるものです。
生物学的なもの
細菌やウイルス・感染などがあります。風邪をひく・コロナ感染症・傷が化膿する・虫歯で歯が痛いといったイベントです。
心理・社会的なもの

ふだん私たちが身近に感じているもの。
不安・いら立ち・焦り・怒り・緊張・抑うつ・痛み・情報過多・過密な都市生活・経済政治問題・職場環境などがあります。
社会問題として長時間労働やハラスメント、いじめなどが周知されています。心身の症状が現れてからではあなたの「考える力や判断」は鈍るので、悪循環にいたる危険性があるんですね。
いずれにしても「過度なストレス」を断つ必要があり、嫌な気分に巻き込まれないようにすることが大切です。
日常生活の乱れ・ライフイベント
食生活・睡眠の乱れ・過度な運動・引っ越し・お金・退職・転職・別れ・病気・障害・結婚・出産などです。

ポジティブなイベントも含まれますよ。
短期間にいくつものイベントを経験した場合、膨大なエネルギーを費やすため心身のバランスを崩す可能性が出てきます。
ストレスをそのままにしない

ストレスの恐ろしさ
ストレスの恐ろしさは、放置しておくと重篤な症状となり私たちを苦しめることにあります。
気分が落ち込んだり何もしたくないなぁという軽い精神的な苦痛で留まればよいのですが、不安障害やうつ病などの「こころ」の病気に発展することもあるんですね。
また、ストレスにさらされ続けた「からだ」は悲鳴をあげ、胃から出血したり過敏性腸症候群など身体的症状にも表れてきます。
不調が激しければストレスを自覚できますが、生活に追われると不調に気づいていても後回しになりがちです。
また同じ条件のストレスでも、性別・年齢個人の価値観や文化・背景によりその程度が変わり、どの程度耐えられるかという「ストレス耐性」によっても個人差があります。

不調に慣れてしまう、お薬でごまかし続けるということは何としても避けたいですね。
ストレスが生み出すもの
- 疲労
- さらなるストレス
- 活性酸素
- 自律神経の乱れ
- 免疫力の低下
- 心の余裕がなくなる

腸内環境の悪化もそうですね。
実はこれらは全て繋がっているため、挙げればきりがありません。
「一心一如(いっしんいちにょ)」という言葉があります。これは心と体は深くつながっているという意味です。

たとえば脾臓(ひぞう)が弱るとクヨクヨし、肝臓が弱ればイライラするんですね
体に現れている不調は‥‥じつは「心が原因」であったり、その反対に「心の不調」が体の機能不全・栄養不足が原因となっていることがあるのです。
あなたはあなた自身の心と体に耳を傾けること、不調が現れたときはおおもとの原因を見つけ出し対策を施すことが必要です。
ストレスが引き起こす病気

ストレスが引き起こす病気は、精神的なものだけではありません。

非常に多種多様です。
心の病気
うつ病や不安・パニック障害・適応障害・摂食障害など
呼吸器系
気管支喘息・過換気症候群
循環器系
高血圧・狭心症・心筋梗塞
消化器系
胃・十二指腸潰瘍・過敏性腸症候群・潰瘍性大腸炎・心因性嘔吐
その他
肥満・糖尿病・蕁麻疹・アトピー性皮膚炎・円形脱毛症・リウマチ・メニエール病・突発性難聴・顎関節症など
原因不明の病気と言われている潰瘍性大腸炎も、【ストレス】が発症や再燃に関与していることがわかっています。

ストレスをそのまま放置してはいけないということです。
ストレスと向き合う

見えないストレスをはっきりと自覚することや、相手に伝えることはなかなか難しいものなんですね。
私たちはストレスを引き起こす「ストレッサー」を低減する解消に向けた取り組みが必要。「心に余裕」を作ることが大切です。

そのための取り組みをご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
ストレスを予測する
ストレス反応は人により違います。まずは自分がどんなストレスに弱いのか、どんなことがストレスになりやすいのかを「リストアップ」しましょう。
人は予想できるものには対処しやすく負荷がかかりにくいもの。ストレスを見える形にしておくと認識しやすく心に余裕をつくります。

目に見える形にしておくことが大切です。
- ストレスを感じたのはどんな場面だったか
- ストレスを感じた時、どんな行動を起こしたか
- 行動の結果どうなったか
たとえば私で言えば「夜勤」です。お薬で体調不良をごまかし勤務を継続出来たかもしれませんが、私は「夜勤はやらない」選択をしました。その後は体調が改善し、こころにも変化が現れたんですね。

次にお伝えするストレス解消とともに書き出しておきましょうね。
ストレス解消方法

次に自分を癒す・リラックスできる方法を「リストアップ」しましょう。
「ストレス解消法」を見える化しておけば、忘れることなくスムーズに対処しやすく心に余裕をつくります。
ストレスが溜まった状態、脳が疲労した状態の時は「その方法」を考えることができません。
前もって、考えられるうちにその方法をあげておくことが大切。

下記の質問に対してのあなたの答えが非常に役立ちます。
- あなたの心が癒される、身近で簡単に行けるところはどこでしょう
- 何をしている時に、心が癒されますか?
- 日々の生活の中で、心が休まる時間はどんな時間でしょうか
- 簡単にできるあなたが好きなことはなんですか?
- 誰といる時に心が休まるでしょうか

あなたの癒しに意識的に触れることが出来れば、一日5分でも良いでしょう。
散歩・ゆっくりお風呂に入る・コーヒーを飲む・気の合う人と楽しい時間を過ごす・アロマ・片付け掃除・絵を描く・写真を撮る・日記を書く・鍋を磨く・衣類の整理をする・お菓子静栗づくり・深呼吸をする・読書・音楽鑑賞・ペット・カラオケ・ボードゲーム・ブログ・刺繍や編み物・マッサージ・体操などなど。

忙しい・時間がないから!とないがしろにしてはいけないところです。
癒やしに触れることは、突発的なストレスに耐えうる「心の余裕」をつくることができます。日々、数分でもあなたの癒しに触れておくことが大切です。
どんなときも大切なこと
100%を目指さない

良い状態イコール100%ではありません。
60~70%の状態でも安定して進めることが重要、途中で疲れてしまっては元も子もありません。無理してまで頑張らないこと、避けることも一つの手段です。
質の良い睡眠をとる

就寝時間にこだわる必要はありませんが、布団に入る時間はできるだけ一定にしましょう。
起床時間は休日を含め一定にすることも重要ですね。
適度に日光を浴びる、夕食後はできるだけゆっくり過ごす、就寝前のテレビ・スマホの視聴を避ける、寝酒を控える、寝室の環境を整えるなどして睡眠の質を上げましょう。

疲れているなと感じたら、意識して休養をとるようにしましょうね。
運動

適度な運動はストレス解消に有効。睡眠の質も高めてくれますよ。
好きな運動があれば、それを続けましょう。特になければ、続けられそうな運動を見つけてください。運動を単体として行うのではなく景色を楽しみながら・友人と楽しみながら・運動後に食事・カフェを楽しむといった要素を取り入れると継続しやすくなりますよ。

私は「Voicy(ボイシー)」を聞きながら散歩をしています
散歩へ行かれない日は室内で「その場で足踏み」をしています。一日30~40分、歩数にして6000歩といったところです。
人は2週間座りっぱなしの生活をしていると「不安」「焦り」「闘争心」といった感情が生まれるという研究結果があります。
そしてそれを解消する運動量の目安が、一日30~40分のウォーキングだそうです。筋肉マッチョになる必要はありません・ハードな運動は必要ないんですね。
膝や腰に負担がない運動をこつこつと継続することがポイント。サボってしまった日があっても、その後も続けることが大切です。
食生活

暴飲暴食は避けましょう。

好きなものに偏らず、腹八分目。いろんな食材をまんべんなく少しずつです。
栄養素は「からだ」を作るだけでなく、私たちの「こころ」も作っています。
気持ちを穏やかに・安定させるための「セロトニン」、ストレスに対抗する「ストレスホルモン」も摂取した栄養素からつくられているのです。
たとえば、ビタミンB1、B2、B6、B12は、うつ病のリスクを下げると言われているんですね。
肉や魚・大豆製品のほか、野菜や海藻などの「ビタミンやミネラル」や「食物繊維」の摂取が健康を維持する鍵となります。
潰瘍性大腸炎とストレス
ここまで一般的なお話をしてきましたが、潰瘍性大腸炎の再燃期ではつらい症状がありますので、睡眠・運動・食事がままならないといった事があると思います。実際に無理ができない時があるんですね。
生活リズムに関して、たとえば運動でしたら寛解期は積極的に、再燃期はペースを落とす・中止するなどの調整が必要。あなたの体調にあわせることが大切ですね。
ストレスは潰瘍性大腸炎の発症・再燃のきっかけをつくります。病院の治療も大切ですが安定している時期にこれらのことを見直されるとよいと思います。忙しさ故、食事を抜いたり・睡眠時間を削ったり、内服薬で症状を抑えながら忙しさ変わらない環境で働く事はおすすめしません。
まとめ


いかがでしたでしょうか。
まずは、ストレスチェックを行い今のあなたの「心と体」の健康状態を客観的に見ること。
日常生活の中で軽く見てしまいがちなストレスですが、放置しておくと重篤な症状となってあなたを苦しめる可能性があるものです。
日頃から心と体の様子を気にかけストレスを自覚すること。もっと自分を労り生活をすることを心がけましょう。下記について書き出しておくと効果的です。
- ストレスを感じたのはどんな場面だったか
- ストレスを感じた時、どんな行動を起こしたか
- 行動の結果どうなったか
- あなたのストレス解消法は
これらをリストアップしておくことは「ストレスセルフマネージメント法」と呼ばれ、そのときの自分の心のありようを客観的に理解し、効率的に解消方法を生み出すことができます。
心と体の健康状態を保つためには、食事や睡眠・運動など日常生活をないがしろにしないこと、ストレスに関する事柄を書き出し、あなた自身を理解することが大切です。
それでは今日はこのへんで。

お体ご自愛くださいね。