- 移動中・外出先での急な便意が心配。
- トイレまで間に合わない
- 不安が先立ち、外出をしたくない

というあなたへ
こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

いつやってくるかわからない便意・トイレの心配は、心理面に大きな負担をかけますが、トイレが原因で外出に気後れしたり、諦めたりと、あなたの行動が限定的になるのは良くありませんね。
良くないことが起きるかもしれないと、漠然と想像するだけでなく、具体的とらえて、準備をすること。事前に準備できていれば、いざという時、大きく動揺せず対処ができます。
外出時の不安を軽減するべく、前々回は「トイレの場所の確認」、前回は「パットの利用」についてお伝えしました。本日は、外出時の不安を軽減するための、事前準備その3「パンツについて」です。

それでは見ていきましょう
便もれについて

腸に炎症が起きている時は、便意やおならを我慢できないことがあります。切迫する便意は耐え難いですし、便がもれることや、トイレに間に合わず下着を汚してしまう場面は、とてもつらいですよね。
病状によっては、便意をコントロールできない状況と、しばらく付き合うことになりますが、便もれに対する準備や、下着の汚染を回避することは可能です!
不安を払拭し、安心して出かけられるようにしましょう。

おトイレの場所を知ることも大切でしたね。

はい。とても大切ですのでぜひご一読を、同じ病気のかたと共有していただけたら幸いです。
便もれ対策

「パット類」をホールドするための「パンツ」には、いくつか種類がございますが、あなたがより安心で、快適であるように、いくつかポイントをご紹介します。
動きやすい
主にベット上で過ごす場合を除き、ほとんどの方が就学・就労などで活動します。制服やスーツ、ズボン・スカートといった、パンツの上のお召し物と併せて考える必要があります。
パンツが厚く、大きいと、モコモコして気になりますし、かと言って、小さめサイズを選べば、体を圧迫し血流を妨げます。そしてどちらも、横もれの原因をつくります。
活動しやすく、なおかつ便もれをした時に、パット類がその便(粘液など)をうまくキャッチできるよう、程よくパットを支えてくれる、そんなパンツが理想です。
動いても足回りに隙間ができない
足回り、というのは足の付け根グルっと一周のことです。
排泄物によりパットが重くなると、重力でパンツが下がり、特に太もも内側に隙間ができるのですが、それが原因で横もれすることが多いですね。
潰瘍性大腸炎は尿ではなく、主に受け止めるのは便や粘液です。また頻回の排泄であれば、一回量はそれほど多くないと思いますので、尿と合わせたとしても、そこまでの心配はないでしょう。
しかしですね、量が少なくても回数が多かったり、トイレが近くになかったり、パンツやパットの利用が不適切だったりすると、横もれの可能性がゼロではなくなります。
動いても隙間ができないものを選択すると、より安心ですよ。

パットをしっかりホールド・体への圧迫感は最小限
当てたパットが浮いたり・ズレたりしては不安が募りますし、ギューギューきついパンツは、体を圧迫し巡りを悪くします。
要は、便もれをした時に、その便をしっかり受け止められるよう、程よくパットが当たっていることが理想です。
横もれを過度に心配し、当てたパットを、サイズの小さいきついパンツで、ギューギュー押さえてしまうと、便が行き場を失いますので、気をつけましょう。
安心して日常生活を送れる
歩くときも、座っている時も、電車で移動している時も、便もれをしても大丈夫!という安心があると良いですね。。小さなことですが、パンツの上げ下げがしやすく、パットの脱着がしやすいなども、安心に繋がる要素。あなたの今の問題点・不安な点を、改善するパンツがおすすめです。
体のだるさ・お腹の痛みなど、身体症状を伴う時は、なかなか気持ちが晴れませんが、できるところから、取り組んでいきましょう。
布パンツと使い捨て紙パンツ

おしりピッタリパンツ(布パンツ)
今回私は、潰瘍性大腸炎の便もれ対策として、こちらのパンツを案内しますが、「サルバおしりピッタリパンツ」は、医療から介護まで幅広く対応する商品です。
施設やお家で暮らす方々の日常生活・要介護度に応じ、自立支援を促すために誕生しましたが、例えばお腹やおしり周りの手術後のケアアイテムとしても、重宝しているんですね。
先ほど提案した、パンツ選びのポイントを全てクリアしています。各場面の失禁対策に、高い評価を得ており、看護師としてどの環境で働いていても、機会があればおすすめしたいパンツです。
- 動きやすい
- 動いても足回りに隙間ができない
- パットをしっかりホールド・体への圧迫感は最小限
- 安心して日常生活を送れる
紙パンツに抵抗がある方、違和感を感じる方、ふだん生理用ショーツやボクサーパンツを利用してる方、対策を迷われている方、ぜひ、尿取りパット専用ホルダー「おしりピッタリパンツ」をお試しください。
下記は、商品の特徴です(引用:白十字株式会社HP・サルバ商品概要)。動きやすさと安心の秘密は、2種類の編み方にあるようですね。

股下から2~4センチ程下がる「一部丈」が、安心を強化します。

サイズは、S~LLまであり、グレーもあるので男性でも問題なく使用できます。



パンツに合わせる「パット類」について、ご一読くださいね

使い捨て紙パンツ
使い捨て紙パンツは、履くタイプのオムツ。基本、単体で使用します。4~5回分の尿を受け止めるため、厚みがあり、履いた感じはモコモコします。
また、排泄した尿の重さでパンツが下がり、足回りに隙間ができることがあります。
下記は、布パンツと紙パンツの使い分け例です(引用:白十字株式会社HP・サルバ商品概要)。参考にしてみましょう。

紙パンツは、単体使用が基本ですが、実際は間にパットを入れることもあります。介護や支援の場でよく見かけます。汚れた時に、履き替えの必要がなく、パットだけを交換すれば良い、という利点がありますが、モコモコ感が増したり、横もれの原因になることがあります。適応に合わせた使い方をお願いしたいところです。
軽い尿もれ対策に、新たに「薄型の紙パンツ」が登場しました。通常の紙パンツと異なり、薄い作りなので、まるで下着です。ですが、汚れた時は、履き替えが必要です。
あなたの状態が安定している。回数・量ともに少ない、という条件でしたら、間に小さなパットを入れるなどし、利用できるでしょう。
上記に説明があるように、大きなパットを併せたい場合は、「おしりピッタリパンツ」をご利用ください。
まとめ


いかがでしたでしょう
外出時の不安を解消するため、パンツ選びは重要です。
- 動きやすい
- 動いても足回りに隙間ができない
- パットをしっかりホールド・体への圧迫感は最小限
- 安心して日常生活を送れる
とても大切なことですね。漠然と不安を抱えたままにするのではなく、いざという時のために、事前準備を行いましょう。
あなたが安心して外出できるよう、次回は「外出時あると便利な持ち物」について、お伝えしたいと思います。
それでは今日はこのへんで。

お体ご自愛下さいね

ありがとうございました。
参考引用文献
・白十字株式会社HP・サルバ商品概要