【潰瘍性大腸炎】便もれの不安を解消して出かけよう パット編

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。

あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

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前回は、トイレの場所を確認できるアプリと、I know IBD.についてのお話でした。

いつやってくるかわからない便意・トイレの心配は、心理面に大きな負担をかけるので、まず第一に、トイレの場所を把握しよう、いつもの行きつけのトイレの他に、あなたが気づいていないかもしれないトイレを見つけておこう!というものでした。

トイレが原因で外出に気後れしたり、諦めたりと、あなたの行動が限定的になることはどうしても避けたいです。

出かける前にあらかじめ準備をしておくことで、外出時の心配を軽減できますので、前回のお話、まだです、という方は下記よりぜひご一読くださいね。

本日は、外出時の不安を軽減するための、事前準備その2「パットについて」です。

たかはし
たかはし

それではさっそく、一緒に見ていきましょう

便もれについての心得

腸の炎症が刺激となり、便意やおならをコントロールできない時があります。それは致し方のない状況ですので、心を傷めないでほしいと思っています。

それから、外出・移動中に何かあったらどうしよう、という不安やストレスを、そのままにするのも良くありません。

不安やストレスは、私たちが発する「注意をするように」というサインです。ネガティブな感情なんだけれども、自分を守るための大切な心の動きです。

良くないことが起きるかもしれないと、漠然と想像するだけでなく、具体的とらえて、準備をする。事前に準備できていれば、いざという時、大きく動揺せず対処ができます。必要があれば、修正して次の機会に備えればよいのです。

前向きな気持ちだけでは十分ではありません、事前準備を合わせ、心の負担を軽くしていきましょう!

便もれ対策・パットについて

便意の回数が多いということは、その都度、少しずつ排泄されるので、一回の量がとても多くなる、ということはあまりないでしょうか。

しかしですね、量が少なくても、それを受け止める準備が出来ていなければ、衣類を汚染し、心にダメージを受けますので、トイレに行くまでの安心材料として、ぜひパット類を活用してほしいと思っています。

あなたの病状によりますが、

  • 下痢の回数
  • 便の性状(泥っぽいのか、水っぽいのか、ほぼ粘液なのか)
  • 一回の量(付着する程度か、シャーっと少量か、流れるように中当量か)
  • 便意がおきるのはどんな時(わからない、だいたい予想がつくなど)

これらの情報をもとに準備をすることで、不安を軽減できます。移動中・外出先、ご自宅でも安心して過ごせるよう、パットの準備をしていきましょう。

女性用ナプキン

よく見かけるのは、「女性用ナプキンの代用」です。パットに比べると単価が安く、夜用や出血が多い日用なら、おしりをしっかりと覆います。

だだですね、ここでお伝えしておきたいことは、ナプキンは「血液を吸収するための商品」であるということ、便には対応していないので、排泄された便は、表面(第一層)で目詰まりをおこすのです。中には香り付きのものがありますが、便に対しての防臭効果はありません。

代用に関しては、回数が比較的安定していて、排泄が付着程度~ごく少量、移動距離が短い、すぐ交換できる場所に居る、などの条件であれば、差し支えないと思います。

軽い便もれパット

利用するうえでの適応は、排泄が付着程度、であること。それ以外の条件での使用は向いていませんので気をつけましょう。

女性用ナプキンとの違いは、便に対応しているという事ですね。便のにおいの元(アンモニア・酢酸・インドール)に消臭効果があり、表面での細菌の増殖を抑制する効果もあります。

大きさは手のひらサイズ、肛門のまわりをサポートします。ズレ止めテープ付き、薄さ3㎜でアウターに響かないのも特徴です。

安心パット(軟便~水様便)

利用するにあたり、適応の幅が広く、安心を保証をしてくれる商品です。軟便から水様の便、また尿にも対応しています。

私は、こちらのパットに、薄型の紙パンツや、布パンツを合わせる方法をおすすめします。

おすすめする理由は、商品のつくりにあります。

  • 便が目詰まりしにくい表面(第一層)
  • 第二層目に便をすばやく引き込み、表面に残さない
  • 第三層に水分を閉じ込める

便は、水分と固形成分がら成っていますが、それらをうまく分離して、各層に収めるという特徴があるんですね。便なら200g、尿なら750mlを吸収します。

ギャザー付きで、長さは56㎝ありますので、回数が多くても、すぐにトイレに行かれない環境でも心配ありません。とにかく安心感が違うと思います。

また、アルカリ性の便が、弱酸性の肌に長時間付着し続けることは、ただれの原因になりますが、表面(第一層)に便が残りにくい特徴が、肌を労わってくれます

試行錯誤を繰り返し、こちらのパットにたどり着いたかたもいらっしゃいます。重要なことは、表面で便の固形成分が目詰まりしないこと、固形成分も水分もうまく吸収されることです。

たかはし
たかはし

画期的な商品です。迷ったらこちらを選択しましょう。

続いて、尿取りパットをうまく活用する方法をお伝えしておきます。

軟便漏れを防ぐシート

尿取りパットは、尿専門のパットであり便には対応していませんが、尿取りパットの上に、便の固形成分と水分を分離する、シートを敷く、という方法があります。

ギャザー付きの尿取りパットに、こちらのシートをふんわりとのせると、先ほど紹介した「安心パット」の構造が出来上がるわけです。

便対応のパットを選ぶか、尿取りパットにシートを合わせて使用するか、あなたにとって使い勝手の良いほうを検討してくださいね。

尿取りパット

尿取りパット単体で使用する場合は、ナプキンと同じ考え方です。

回数が比較的安定していて、排泄が付着程度~ごく少量、移動距離が短い、すぐ交換できる場所に居るなどの条件であれば、差支えないと思います。

ナプキンより柔らかく、大きめで安心感ありますが、尿専門なので便が目詰まりします。先ほどお伝えした軟便シートの併用で、適応が拡がりますので、ぜひ参考にして下さいね。

私たちは、活動しますのでズレ防止機能のあるものを選びましょう。価格も重要です。自社ブランド商品や、まとめ購入について検討すると良いでしょう

万が一使わなくなった時も、防災用のトイレ代わりになりますので、備えておくと良いですよ。

注意点

フィットさせ過ぎないこと

パットをおしりにぴったり当て過ぎる、隙間なく跡がつくほどフィットさせることは避けましょう。排泄された便が行き場を失い、漏れの原因になってしまいます

多少隙間があったほうが、排泄物が受け止めやすいので、その点を配慮してくださいね。

サイズのきつい、布パンツや紙パンツで、抑え過ぎないようにしましょう。

パットの許容を超えて使用しない

何を吸収するか、どのくらいの量を吸収できるかなど、パットはそれぞれ目的がありますので、使用目的・用量を超えた使い方をしないよう、気をつけましょう。

漏れや、皮膚トラブルの原因になります。

おしりケア

赤ちゃんのおしりが赤くなるのと一緒で、下痢が続くと、肛門やおしりがただれます。肌は弱酸性ですが便はアルカリ性なので、直接肌を刺激してしまうのです。

トイレットペーパーで全てを拭き取ろうとすると、摩擦や拭き残しが生じます

ですので、ウォシュレットを利用したり、おしりが洗えない場所では、赤ちゃんのおしり拭きで、抑え拭きをするなどし、肌に付着したものを取り除いてくださいね。

赤ちゃんのおしり拭きは、水分たっぷりなので汚れを落としやすくお勧めです。通常のウエットティッシュとしても使えますし、なによりお安いですよね。

携帯ウォシュレットは、水さえあればどこでも使えるので、より安心につながると思います。

まとめ

たかはし
たかはし

いかがでしたでしょうか。

事前に準備できていれば、いざという時大きく動揺せずに済みます。

パットを選ぶ際の一番のポイントは、便が目詰まりしないこと、下痢便に対応したパットを使用することです。

女性用ナプキンや尿取りパットで、差し支えない状態の時もありますが、目的が違いますので過度な期待をしてはいけません、あなたの状態にあったパットへ、上手に切り替えていきましょうね。

今日はこのへんで。次回はパットに合わせる「パンツについて」お伝えしたいと思います。

Dr. かなや
Dr. かなや

お体ご自愛下さいね

たかはし
たかはし

ありがとうございました