腸管をサポートする【ビタミンD】を補い 免疫力を高めよう!

  • 便が形にならない
  • お腹の痛みや、違和感が続く
  • 体力がなく体調を崩しやすい
  • アレルギー・花粉症で悩んでいる
  • その他

処方された、お薬をしっかり飲んでいるのに、

食べるものに、じゅうぶん気を付けているのに…症状は一向に変わらず、つらいままだ…。

潰瘍性大腸炎は、炎症の程度により、

何をしても・何を食べてもダメなときがありますよね。

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。

あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

たかはし
たかはし

今日は ビタミンDについてです

ビタミンDは、カルシウムとともに、骨の成長に関与していることは、一般的に知られていますが、

実は、潰瘍性大腸炎のような「自己免疫疾患」や、

うつ病、がん・糖尿病やアレルギーなどにも、関りを持っているんですよ。

かなや先生
かなや先生

ビタミンDは、「腸の上皮細胞」同士が、しっかりと手を繋ぐための材料です。

病院のお薬のように、腸の炎症を、直接おさえる力はありませんが、

腸をサポートし、免疫を強化してくれるんですね。

これまで、どうにもならなかった症状を、【ビタミンD】が手助けします。

重要なポイントは、「腸の上皮細胞」同士が、いつもしっかりと手を繋いでいる、

ということです。

ビタミンDの力

ビタミンD欠乏のリスク群

潰瘍性大腸炎は、各栄養素が不足しやすいのですが、【ビタミンD】もその1つです。

下記のような、理由があげられます

  • 病態により、消化吸収が悪い
  • 十分な食事摂取ができない
  • ビタミンDを含む食品を、控えてしまう

例えば 病気ゆえ、【ビタミンD】を含む、乳製品を控えたり、

特定の食品に対して、アレルギーや不快感があると、摂取が困難になってしまいますよね

つねづね、「欠乏のリスク」を背負っていることを、忘れないようにしましょう

潰瘍性大腸炎に与える影響

【ビタミンD】の不足が原因で、「医療度」が高くなります。

「医療との関わり」と言ったほうが、わかりやすいかもしれません。

潰瘍性大腸炎において、【ビタミンD】が欠乏している状態は、

「病気の活動性・痛み・生活の質」が、有意に悪化した、という報告があります。

例えば、病気と付き合っていく中で、ステロイドなどの強い薬や、痛み止めを必要としたり、

救急や外来受診・入院、手術や検査などが、「必要になる頻度」が、高くなるということです。

主なビタミンDの作用

自己免疫疾患に関与

私たちには、からだを守る「免疫システム」が備わっています。

免疫は、有害物質や外敵に対して、攻撃の指令を出すのですが、

このシステムが暴走し 正常な組織をも攻撃する病態を、「自己免疫疾患」といいます。

リウマチでは、「骨や軟骨」を攻撃し、潰瘍性大腸炎では、「腸粘膜」を攻撃するのです。

体内では、炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」と、

一方で炎症を抑える、「抗炎症サイトカイン」が存在しているのですが、

【ビタミンD】は前者を抑え、後者を増やす作用があるため、

過剰な炎症反応を、抑制する効果が期待できるというわけです

感染症予防

【ビタミンD】は、

細菌やウイルスを殺す「カテリジン」、というタンパク(抗菌ペプチド)を、作らせる働きがあるので、

【ビタミンD】が不足すると、感染症にかかりやすくなります。

日光に当たると、体内の【ビタミンD】が増えるというお話を、聞いたことがあるでしょうか

寒い時期に、風邪やインフルエンザにかかりやすくなったり、

アトピー性皮膚炎などが悪化する理由。

それは、夏と比較すると、日照時間や紫外線量が減少するからなんですね。

花粉症 リーキーガット症候群

私たちの「腸の上皮細胞」同士は、隙間なくしっかりと手を繋いでいるのですが、

この手に隙間が生じた状態を、粘膜透過性(ねんまくとうかせい)といい

「リーキーガット症候群」と呼んでいます。

生じた隙間から、有害物質が侵入しやすい環境になり、病気を発症してしまうんですね。

「花粉症」も、その1つです。

「腸の上皮細胞」に隙間ができないよう、しっかりと【ビタミンD】を補いましょう。

また、【亜鉛】もですね、ビタミンDと同じように、腸の隙間を埋める役割を持っていますので、


かなや先生
かなや先生

下記の記事を、ぜひご覧くださいね

ビタミンDの増やし方

【ビタミンD】は、D2~D7まで、種類がありますが

「D2とD3」が一般的です。

  • D2: きのこなどに含まれる、植物由来
  • D3 :魚・肝臓・卵・人の皮膚などに含まれる、動物由来

ビタミンDを得る方法は、2つあります

  1. 日光に浴びて、紫外線に作ってもらう
  2. 食物などから摂る

紫外線に作ってもらう

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人の皮膚の存在している「D3」は、私たちが日光に浴びると、

紫外線により【ビタミンD】に変化します。

その後、肝臓や腎臓を介して、「 活性型ビタミンD 」となります。

たかはし
たかはし

「活性型」とは、「体内で活躍する形」です。

大人になり、日光に当たる機会が、減った方も多いのではないでしょうか。

特に女性は、日焼け止めを使い、紫外線をカットします。

かなや先生
かなや先生

残念ですが それではビタミンDは作られませんよ。

日光に上手に当たれば、腸に良い影響を与えるだけでなく、

丈夫な骨を作るサポートになり、心を安定させる「セロトニン」という物質も分泌されるんですね。

「朝日」を浴びると、体内時計がリセットされ、生活リズムが整いますよ。

紫外線の量は、1年を通して変わります。

1日で見ると、「10時~14時」は紫外線が多くなるため、

日差しの強い「夏」は、木陰を利用したり、「朝の時間」がおすすめでしょう。

日差しの弱い「冬」は、当たる時間を長くする、という工夫が必要ですね。

強い日の光や、紫外線に長く当たると、皮膚や目にダメージを与えますので、気をつけましょう

食品から摂取する

目安量

1日の目安量は、男性も女性も、「8.5㎍ 」です

   年齢     目安量    上限量  
  18~298.5100
  30~498.5100
  50~648.5100
ビタミンD ㎍/日 食事摂取基準 女子栄養大学出版
かなや先生
かなや先生

ビタミンDの摂取については、日照時間も考慮に入れると良いでしょう

食品

食品やサプリメントから摂取した「ビタミンD2」は、

肝臓や腎臓を介して、「活性型」に変わります。

【ビタミンD】は、下記の食品群に多く含まれています。

  1. キノコ類
  2. 魚介類
  3. 卵類
  4. 乳類

続いて、おもな食品です。

  • きくらげ
  • しいたけ
  • エリンギ
  • さんま
  • ぶり
  • いわし
  • アンコウの肝
  • 牛乳
  • チーズ

「きのこ類」は、不溶性食物繊維ですので、硬い繊維が、胃腸の負担にならないよう気をつけましょう。

「牛乳や乳製品」は、控えているかたが多いかもしれませんが、

アレルギーや不快感が出なければ、問題なく摂取することが出来ますよ。

「魚」は生鮮もおすすめですが、手間のかからない「缶詰」もおすすめです。

サバの水煮1缶(約200g)は、ビタミンDが「8.6㎍」 含まれていますので、

十分な量を摂取できますね。

また鮭は、スーパーフードです。

一切れに、1日の目安量を超える、「32㎍」のビタミンDが、含まれています。

かんたん調理の魚のサブスク「さかなのわ」

サプリメント

潰瘍性大腸炎は、「バランスのとれた食事」をすることが難しいです。

以下のような行動が、三大栄養素だけでなく、ビタミン・ミネラルの摂取を困難にしています。

  • 不快感のある食品を避ける
  • 食事自体を控えてしまう
  • 肉や野菜・乳製品を控える

私たちは、健常者と比べると栄養状態が、アンバランスになりやすいため、

上手に、サプリメントを利用していくとよいでしょう。

Dr. かなや
Dr. かなや

「過剰摂取」はしないこと。

カルシウムの吸収が促進し、体内で石灰化を起こしたり、

吐き気が出ることもあります。

お薬を飲まれている方は、サプリメントがお互いの作用を、弱めることがありますので、

主治医・薬剤師に、必ず相談しましょうね。

栄養素は、食品からの摂取が基本です。

不十分なところを補う、補助的な役割をするのが「サプリメント」、

量が多ければ良い、というわけではありませんから、その点注意をしてくださいね。

まとめ

たかはし
たかはし

いかがでしたでしょうか

潰瘍性大腸炎は、【ビタミンD】が、欠乏しやすいリスクを持っています。

「腸管のバリア機能改善」と、「免疫システムの正常化」の手助けのため、不足を補っていきましょう。

骨の成長にも欠かせません。

食品やサプリメントから、上手に摂り入れ、積極的に、日を浴びるよう心掛けて下さい。

例年の、花粉症対策にもなりますからね

症状の改善を目指し、一緒に頑張っていきましょう

今日もありがとうございました

かなや先生
かなや先生

お体、ご自愛下さいね

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参考文献

  • 食品成分表 2021 女子栄養大学出版
  • メディカル トリビューン/ビタミンD
  • 厚生労働省eJIM/ビタミンD