- 便が形にならない
- おならの臭いが強い
- お腹の不快感がつづく
- 体力がない/体調を崩しやすい

というあなたへ

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。
あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします!

私たちの生活を支える、貴重なお砂糖。
最近は「白い悪魔」「体を壊す」「砂糖の害は恐ろしい」など、ずいぶんと悪者扱いされていますよね。

砂糖は、私たちの大切なエネルギー源。
どんな食品もそうですが、摂りすぎが「害」なのであって食品そのものに問題はありません。
配慮する点は、潰瘍性大腸炎の発症や再燃は、腸内細菌(腸内フローラ)の乱れが関与しているということ。つまりお腹の中は、悪玉菌が多く・善玉菌が少ない状態なんですね。
前者(悪玉菌)の大好物は、今回お伝えする「甘味料」、好物がたくさんあれば、悪玉菌がどんどん増えていくわけです。
腸内環境の悪化は、体を守る「免疫」の低下に繋がりますので、砂糖などの「甘味料」を利用する際は、ポイントをしっかりと抑えてくださいね。
症状の改善を目指す手がかりになれば幸いです。ぜひご一読ください。
潰瘍性大腸炎と砂糖

腸内環境と免疫低下
悪玉菌は「砂糖が大好き」ですので、過剰摂取によりその仲間とカビが増殖して、→ 腸内環境が悪化します。
私たちの体を守る免疫細胞の7割は「腸」に存在しており、それらが「活発に働く条件」は、良好な腸内環境です。
「良好な腸内環境」は「免疫が高い状態」 、つまり健康が優勢で、病気の勢いが抑えられている状態であることをぜひ覚えておいてくださいね。

潰瘍性大腸炎は、もともと腸内細菌(腸内フローラ)の乱れがありますので、免疫低下につながる食べ方に気をつけましょう。

下記は善玉菌についてです。ぜひご一読くださいね。
カナダアルバータ大学 「マドセン氏率いる研究グループ」より、高砂糖食は、大腸炎に対する感受性が高まり症状が重篤になる。腸の組織の損傷や、免疫反応の欠陥を認めた。という発表がありました。
1日の摂取量目安


表の右下「第4群」をご覧ください。目安は大さじ1杯強ですね
果物や穀類などの「自然の甘味」は別と考えてOKですが、お惣菜やおやつ・飲み物などに入っている「見た目わからない甘味・砂糖分」に気をつけましょう。
例えば、下記は飲み物に入っている、砂糖の量です。
飲み物500ml | 炭水化物 |
コカコーラ | 56.5g |
ファンタオレンジ | 50.0g |
ポカリスエット | 31g |
アクエリアス | 23g |
脱水や体調不良で「食事ができなかった」、そんな時ポカリスエットを利用するのはよいですが、常用はしないようにしてくださいね。
砂糖が多く使われている、お買い物に気をつけてください。
甘味料の選択

砂糖などの甘味の利用は、どこにこだわりをおくかです。
例えば、ミネラルやビタミンを一緒に摂りたい、コクを重視したい・国産がいい・この料理にはこの砂糖がよい!などです。
どんな食品も「過剰摂取」が問題なのであり、「体にわるい砂糖」などは存在しませんので、製造方法や、特徴・成分を知り、ご自身の用途で選んでいただければ大丈夫です!
甘味いろいろ
上白糖
漂白といった科学的な処理を行ったわけではなく、自然の甘さを、純粋な結晶として取り出したものが「白砂糖」です。
キラキラした結晶が、光を吸収して白色を呈しています。身近で、料理全般に使いやすい砂糖です。
三温糖
「三温糖」は、白砂糖と同じ精白糖です。煮詰めて結晶を取り出す工程を繰り返し、茶色い色がついてきます。
料理に、深みやコクを、与えてくれます。
きび砂糖
「きび砂糖」は、サトウキビを、煮詰めて作るため、薄茶色を呈しています。
ミネラルを多く含むのが特徴。特有の風味とコクがあり、まろやかな甘さを持ちます。普段使いに、おすすめです。
てんさい糖
「てんさい糖」は、見た目は大根のようなてん菜が原料で、まろやかな甘さが特徴です。
黒砂糖
「黒糖」は、サトウキビのしぼり汁をろ過して、煮詰めて冷却し固めてできあがります。
ミネラルや、ビタミンを含み、コクのある甘さが特徴です。

はちみつ
「はちみつ」は、ミツバチが採取してくれた、天然の甘味料です。
マヌカハニーは、腸内フローラのバランスを改善したという研究がありますが、その点だけに集中し過剰摂取にならようにしましょう。
商品に表示された「UMF」とは抗菌活性力の強さを表しています。数値が大きいほど高い抗菌性を持ちますが、初めての方は「UMF10+」からお試し下さい。
はちみつはオリゴ糖が含まれるので、お腹がゴロゴロする場合があります。ご自分に合う・合わないを把握していきましょう。
メープルシロップ
「メープルシロップ」は、サトウカエデの樹液を煮詰めて作ります。
カナダの自然の恵みで、20種類以上の、抗酸化物質とミネラル・ビタミンを含み、クセがなく日本料理にも合います。
一般的な甘味と比較すると、低カロリーなんですよ。


下記は私が最近利用しているもの。
飲み物・ヨーグルト・料理に使っています。オリゴ糖は善玉菌のエサになるので、原材料と組み合わせた商品は利便性があります。しばらく使ってみようと思います。

適量を守りながら何度利用しても、お腹の症状があった甘味料は使っていません。それ以外は特に固定せず、コクのある甘味が好みなので、これまで黒糖やメープルシロップのダークなどを利用しています。
お腹に合っていても、摂りすぎれば症状が出ますので、コツをつかみ上手に利用していただきたいと思っています。

悪玉菌ではなく、善玉菌をふやしましょうね!
人工甘味料について
人工甘味料は、カロリーを抑えた「砂糖に代替品」です。「人工」という言葉を、敬遠されるかたは多いと思います。
大きなメリットは、低カロリーという特性ですので、視点を変えると、健康管理に繋がり肥満予防や、生活習慣病の改善に、役立つ可能性があるんですね。
お砂糖の「数百倍の甘さ」を持つため、使う量を抑えることができますが、過剰摂取により、腸内環境の悪化を招くというデメリットがありますので、誤った利用をしないよう十分に気をつけてくださいね。
まとめ


いかがでしたでしょうか
砂糖などの甘味料を摂りすぎると、悪玉菌が増殖し腸内環境が悪化します。
潰瘍性大腸炎は、もともと腸内細菌のバランスが乱れていますので、「高砂糖食」にならないよう気をつけましょう。
砂糖は私たちのエネルギー源ですが、悪玉菌の大好物でもあります。
一日の目安は、大さじ1杯強。
腸内環境の悪化は、私たちの体を守る「免疫システム」の低下に繋がりますので、過剰摂取ご注意を。
それではこのへんで。

今日もありがとうございました

お体ご自愛下さい
参考文献
- RINK DE DIET
- ケンカツマキノ出版
- 砂糖の種類 農畜産業振興機構
- 新井倭愛 (山村学園 山村国際高等学校 生物部) マヌカハニーの機能性
- 引用画像:一日にこれだけ食べよう/香川明夫監修(第4版)女子栄養大学出版部2020

