【オートミール】善玉菌と短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）を増やそう♪

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。

あなたの症状が少しでも改善されますよう、これまでの苦労や経験を活かし、医療者としてご提案・ご案内をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いします！

敬遠されがちな「食物繊維」は、じつは潰瘍性大腸炎に必要な栄養素。

特に水溶性食物繊維は善玉菌の「エサ」ですので、大腸に届くと「善玉菌」が活発に働きます。そして近年話題の「短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）」という物質をつくり出します。

この物質は腸内環境にとどまらず、全身の健康作用を現すことがわかっています。

潰瘍性大腸炎はもともと腸内細菌（腸内フローラ）の乱れがあり、短鎖脂肪酸が少ないですので食物繊維は積極的に摂ってほしい食品なんですね。

じつは「お腹の病気」が増え続けている理由の一つに、食物繊維の「摂取不足」があげられます。

一日の目標摂取量は、男性「2１ｇ」女性「１８ｇ」以上に対し、近年の平均は「13ｇ」前後と少ない状況です。

良好な腸内環境は、免疫を高め、病気に強いからだをつくります。良好な腸内環境をつくるには「善玉菌」と「善玉菌のエサ」が欠かせません。

症状改善を目指す手がかりになれば幸いですので、ぜひご一読くださいね。

オートミール

オートミールは、「オーツ麦」を脱穀し調理しやすく加工したものです。小麦や麦、トウモロコシなどと同じ穀物として扱われ、健康的な食品とみなされています。

下記のような健康効果が報告されています。

• コレステロール値の上昇を抑える
• 血糖値の上昇を抑える
• 血圧を穏やかにする
• 排便促進作用
• 免疫機能調節作用

特徴・食物繊維が豊富

食物繊維には、便のカサを増やして、排便をスムーズにする「不溶性（ふようせい）食物繊維」と、善玉菌のエサになって、腸内環境を改善する「水溶性（すいようせい）食物繊維」、の2種類があります。

食物繊維についての詳細は、下記の記事をご覧ください。

大腸と全身への健康作用

下記は善玉菌が「食物繊維」をエサにして、つくり出した「短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）」の健康作用です。

「短鎖脂肪酸」が腸内環境を良好にし、良好な腸内環境が→免疫を高め全身の健康へ作用します。

これまで食物繊維は「食べ物のカス」として扱われてきましたが、今では健康作用が認められ「第六の栄養素」と呼ばれ、私たちの健康をサポートしています。

主な栄養

【オートミール】の食物繊維は、玄米の3倍。形状によりますが、玄米より消化しやすいメリットがあります。

鉄分やカルシウムなどの「ミネラル」や「ビタミンB1」を含み、貧血や精神症状、栄養素の代謝を改善します。

目安

一食「３０ｇ」で、約「2.8ｇ」の食物繊維が摂れます。

1日の食物繊維を全て【オートミール】で補うのではなく、野菜、イモ、穀類などから、まんべんなく摂取するよう、心掛けてくださいね。

注意すること

オートミールにアレルギーがあると利用できません。

また、アレルギーとは別に、摂取すると毎回お腹の症状が出る（お腹が張る・ゴロゴロする・下痢をするなど）場合も無理をせず控えましょう。

すばらしい食物繊維ですが、腸内の炎症が強く、腸がむくんでいる、狭窄（きょうさく）しているなど、症状が重く問題のある時期は禁食となることもあります。その時は医師の指示に従いましょう。

当サイトは胃腸に関連した提案です。ダイエット目的ではありませんのでご理解くださいね。

食べ方

オートミールは果物を添えて、牛乳や豆乳でいただくイメージがありますが、お茶漬け・中華粥・リゾット、チャーハンなど、お米の代わりに利用することができます。

また、ハンバーグにしたり、小麦粉と置き換えて、お好み焼き・マフィン・パンケーキなどを作ることができるんですね！

潰瘍性大腸炎は、炎症（えんしょう）や、腸の修復に「エネルギー」を多く使います。主食として利用するのもよいですが、エネルギーを確保するため、おやつとして利用しても良いと思います。

トマトジュースで簡単オートミールリゾット by 油専門店「油の王様」

オートミールと昆布だしのおかゆ by 福山醸造株式会社

グルテンフリー♥オートミールパンケーキ by ぶんぶんチョッパー

おすすめ

オートミールの形状は「3つのタイプ」に分かれます。

	粒のかたち
ロールドタイプ	粒そのまま・しっかり食感
クイックタイプ	細かく砕いたもの
インスタントタイプ	さらに細かくしたもの

粒そのままの「ロールドタイプ」は、しっかりとした食感を楽しめますが、おすすめは、細かく砕いた「クイックタイプ」や「インスタントタイプ」です！

お腹の調子に合わせて、ご利用ください。

下記は日本人に合わせて加工された、オーツ麦100％のオートミールです。インスタントタイプなので簡単調理、クセがなくて食べやすいです。食品添加物を加えていない、特殊焙煎された、「日本食品製造」の商品です。

続いては、小分けタイプの商品。こちらもインスタントタイプです。有機オーツ麦を使用しています。

おなじみの「ケロッグ社」の商品。インスタントタイプです。

「クエーカー社」のこちらの商品は、インスタントより少し荒めの「クイックタイプ」。アメリカの朝食の代表です。

まとめ

敬遠されがちな「食物繊維」は、じつは潰瘍性大腸炎に必要な栄養素。

特に水溶性食物繊維は善玉菌の「エサ」ですので、大腸に届くと「善玉菌」が活発に働き、近年話題の「短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）」という物質をつくり出します。

この物質は腸内環境にとどまらず、全身の健康作用を現すことがわかっているんですね。

潰瘍性大腸炎はもともと腸内細菌（腸内フローラ）の乱れがあり、短鎖脂肪酸が少ないですので食物繊維は積極的に摂ってほしい食品です。

良好な腸内環境は、免疫を高め、病気に強いからだをつくります。良好な腸内環境をつくるには「善玉菌」と「善玉菌のエサ」が欠かせません。

【オートミール】を活用し、短鎖脂肪酸（たんさしぼうさん）をたくさん増やしていきましょうね！

それではこのへんで

参考文苑

• レシピ/画像の引用元：COOKPAD
• 食品成分表2021/東京栄養女子大学出版