【潰瘍性大腸炎】少ないなら増やそう善玉菌♪腸内フローラの改善を目指して!

  • 便が形にならない
  • 下痢・軟便が続いている
  • おならの臭いが強い
  • 肛門やお腹の違和感がある
  • お腹がいつもグルグル鳴っている
  • 体力がなく体調を崩しやすい など

すっきりとしない症状が続き、気持ちが晴れない日々を送っていませんか?

こんにちは
看護師のたかはしです
ナース歴・潰瘍性大腸炎歴はともに20年以上となりました。

これまでの苦労や経験を活かし
みなさんの症状が少しでも改善されますよう、
医療者としてご提案・ご案内をしていきたいと思っています

たかはし
たかはし

腸内フローラの主役、善玉菌

その善玉菌が、食物繊維をエサにして作り出す、【短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん】が、

近頃、話題になっています。

腸粘膜を修復したり、バリア機能を高める作用のあるため、

もともと、腸内環境が乱れている潰瘍性大腸炎では、とても頼りになる存在なんですね。

今日は、善玉菌がつくり出す【短鎖脂肪酸】の健康作用や、その増やし方について

一緒に見ていきたいと思います。

善玉菌がつくる短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸と潰瘍性大腸炎

私たちの腸内にいる善玉菌は、「食物繊維」を発酵・分解します。

その過程で生まれるのが、【短鎖脂肪酸】です。

腸内環境を整えるだけでなく、全身の健康作用があるため、注目されているんですね。

潰瘍性大腸炎では、【短鎖脂肪酸】の濃度が低下しており、

「腸内細菌数」が、健常者より少ないことがわかっています。

このような環境が影響し、お腹の病気が増加している、ということなんですね。

短鎖脂肪酸の作用

善玉菌が【短鎖脂肪酸】を増やし、

増えた【短鎖脂肪酸】が、善玉菌を育むことになります。

下記は、主な作用です。

  • 腸内を「弱酸性の環境」にして有害な菌の増殖を抑える
  • 消化管の上皮細胞(じょうひさいぼう)を増やす・修復する(腸の重要なエネルギー)
  • 大腸での粘液(ねんえき)分泌を促進(粘液によるバリア機能)
  • 大腸の収縮(程よい動きを促す)
  • 免疫細胞の機能に影響を与える・炎症を抑制する働き
  • ナトリウム・水の吸収促進(下痢の予防)

腸の粘膜が整い、環境が良くなれば、免疫力が高まります。

【短鎖脂肪酸】は、お腹の調子を整えるだけでなく 、

「全身の健康を整える」働きを持っているんですね。

短鎖脂肪酸を増やそう

【短鎖脂肪酸】を含む食品は、臭豆腐や、ぬか漬けなどがありますが、

臭い・味・吸収性・継続摂取などを考えると、飲食から摂ることがむいてないようです。

ですので、

  • 善玉菌のエサである、「食物繊維」を継続摂取して増やす。
  • 善玉菌を継続的に外から補い、生成をサポートする

という方法で、積極的に増やしていくことになります。

食物繊維

腸内に「もともと住んでいる善玉菌」を、増やす作用がある食品のことを、

「プレバイオティクス」、と言います。特定の野菜、豆類、イモ類などがそれにあたります。

「食物繊維」を豊富に含む食品ですね。

食物繊維は、不溶性と水溶性がありますが、善玉菌が喜ぶのは、

「水溶性食物繊維(すいようせいしょくもつせんい)」のほうです。

産地直送ポケットマルシェ
食物繊維たっぷり!おから汁
引用元:COOKPAD
Cpicon 食物繊維たっぷり!おから汁 by スノーキッチン

善玉菌

体外から摂取した善玉菌は、「通過菌(つうかきん)」といいます。

腸内に住み着くことなく、便と一緒に排泄されますが、

腸を通過している間は、作用があります。

体に良い影響を与えるため、これらを含む食品や善玉菌のことを、

「プロバイオティクス」と呼んでいます。

「ミヤBM」のような整腸剤や、発酵食品などに存在している善玉菌ですね。

納豆やキムチ、ヨーグルト・味噌・チーズ・ぬか漬けなどがあります。

納豆とチーズの無限サラダ
引用元:COOKPAD
Cpicon 納豆とチーズの無限サラダ by 藤枝市保健センター

プレバイオティクス × プロバイオティクス

もともとお腹にある善玉菌を育てる・活発化させるというのが望ましいですが、

潰瘍性大腸炎は、腸内フローラの乱れから、善玉菌や【短鎖脂肪酸】が少ないんですね。

そこで、 【プロバイオティクス(善玉菌)】 と、

【プレバイオティクス(エサ)】の力を掛け合わせ、腸内環境を整えようというわけです。

酪酸(らくさん)について

たかはし
たかはし

酪酸は、短鎖脂肪酸の仲間です。

酪酸

かなや先生
かなや先生

短鎖脂肪酸は、酪酸・プロピオン酸・酢酸(さくさん)がありました。

この中で、最も注目されているのが「酪酸」なんですね。

酪酸は、「腸の最も重要なエネルギー源」であり、腸を修復、炎症を抑えます。

また、腸内を弱酸性の環境にし、有害な菌の増殖を抑制するという、優れた作用を持っています。

酪酸菌(らくさんきん)

善玉菌は、乳酸菌と、ビフィズス菌がありますが、この他「酪酸菌」 もあります。

「酪酸」を作り出すのは、「酪酸菌」だけなんですね。

Dr. かなや
Dr. かなや

酪酸菌を含むものを、ご紹介しましょう。

診断を受けている方は、処方薬が基本ですが、

最近なんとなく、お腹の調子がわるいなぁと思われている方は、市販薬という手段がありますが、

利用後も改善が見られない時は、医療機関をを受診しましょうね。

ミヤBM

ミヤBMは、病院で処方される整腸剤です。

酪酸菌で構成され、悪玉菌を追い出す作用を、持っています。

下痢や便秘・お腹のゴロゴロなどの、諸症状の改善に役立ちます。

熱・抗生物質・胃液に対して強いため、大腸まで生きたまま届くことができます。

ビオスリー

乳酸菌やビフィズス菌を増やす「糖化菌(とうかきん)」、

酪酸菌の増殖を助ける「乳酸菌」、「酪酸菌」の3種類が含まれています。

お互いに相性が良く、合わせて摂ることでより多く増殖します。

強ミヤサリン

ミヤサリンは医薬部外品です。

1日量・9錠中に「270mg」の酪酸菌が含まれています。

宮入菌(酪酸菌)は、ビフィズス菌や乳酸菌と異なり、その名の通り腸のなかで発芽、増殖し、酪酸を産生します。この酪酸は腸内のエネルギー源として利用されているほか、腸の環境を安定に維持させ、炎症などから守っています。

ミヤサリン製薬株式会社

まとめ

たかはし
たかはし

いかがでしたでしょうか。

善玉菌の働きによって、作り出される【短鎖脂肪酸】は、

腸内の環境が乱れている、潰瘍性大腸炎において、とても頼りになる存在なんですね。

私たちが【短鎖脂肪酸】を増やすために行うこと、

それは、

  • 体の外から善玉菌を、継続的に補い
  • 善玉菌のエサを、継続的に補う

ということでした。

腸内環境が良好に保たれると、

潰瘍性大腸炎の症状の改善や、免疫力をあげることに繋がりますので、ぜひですね、

【プレバイオティクス】 × 【プロバイオティクス】、を実践していきましょう。

今日もありがとうございました

かなや先生
かなや先生

お体ご自愛下さい

産地直送ポケットマルシェ

参考文献

  • 潰瘍性大腸炎例の便中細菌と短鎖脂肪酸/日本消化器病学会雑誌79巻1982/2号
  • 食品成分表2021/女子栄養大学出版