
潰瘍性大腸炎は、外食をしても大丈夫ですか?

外食時、気をつけることを教えてほしいです
同僚から食事の誘いを受けた! 友人と週末出かける予定がある♪ など、外食をする場面は、意外と多く存在しています。
お腹が弱いあなたは、症状が悪化したらどうしよう…、そもそも外食自体してよいものか…。
そんなふうにモヤモヤした気持ちのまま、当日を迎えてしまった、なんてことがこれまであったかもしれません。

結論から申し上げると潰瘍性大腸炎でも、寛解期で体調が落ち着いていれば、外食は【OK】!

パスタも食べられますか?

もちろんです♪
不安を抱えたまま出かけていた過去、これからはですね、ポイントを抑えて、外食を楽しんでいただきたいと思っています。
それでは、早速見ていきましょう!
外食時の心得

病気のことを伝える
「胃腸が弱いんです!」でも良いでしょう。あなたがそのことを伝えることで、お相手はメニューを自由に選択できるお店や、ヘルシー料理のお店をチョイスしてくれることでしょう。
逆に言い出せないままでいると、焼き肉やラーメン屋さんといった、脂質コッテリなお店に連れて行かれる可能性があり、無理をした結果、翌日に下痢や腹痛にみまわれた!なんてことにもなりかねません。
また、その場が楽しくて、ついつい羽目を外してしまった‥‥そんな苦い経験もあるかもしれませんね。

「潰瘍性大腸炎」であることを、伝えることにデメリットはありません!
仲間との時間を大切にしたい・あなたの体も大切にしてほしい。
そのためには、あなた自身がしっかりと病識を持つこと。自分を理解することです。
胃腸が弱いことを、お伝えしておきましょう。
目的をしっかり持つ
外食する目的をはっきりさせましょう。
そうすることで、有意義な時間を過ごせます。他人に気を使うことはありません。
自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、食べられるもの、そうでないものを自覚しておきましょう。
例えばですが、お酒を適量で終えられないのは、周りのせいではありません。あなたの意思をしっかりと相手に伝えましょう。
中にはですね、おつきあいは全て断っている。一人で食べたほうが落ち着いて食べられる、自分の時間を確保できる!なんて方もいらっしゃいますが、これもまた、自分の意思であり目的であると思います。!
時間の使い方、人生の在り方は人それぞれ。人は気にせず、わがままでいて欲しいと思っています。
体調不良のとき
体調が悪い時の外食は、お勧めしませんが、例えば一人暮らしだったり、仕事で毎日自炊ができないといった声もあると思います。
体調不良や忙しさで、栄養が上手に摂れないそんな時は、自炊よりコストはかかりますが、外食やテイクアウト、あるいは「宅配」という選択肢を考えましょう。
最近は、化学調味料無添加で、体に優しいメニューが豊富です。体調や生活のリズムに合わせてぜひご利用ください。
脂質を抑え、消化の良い形態・メニューを選びましょう

*体調が良い場合でも、外食は一日に1食程度に抑えましょうね。
一食の脂質量を考える
脂質の摂りすぎは、腸に負担をかけ下痢を起こします。
一回の食事でとる脂質量は「10~15g」で抑えると良いでしょう。
脂質の多いコッテリ系メニューに注意をし、摂りすぎたなぁという場合は、そのあとの食事を低脂質にするなどし調節をしましょう。
とはいえ、脂質も大切な栄養素、効率よくエネルギーを作り出したり、脳や体の組織をつくり・調整します。
過不足がないよう、あなたが一日に必要とする脂質量を知り、一日のトータルで調整できるようになると外食も怖くありませんね。

下記の記事を参考にしてください
固いものや、自分の体に合わないもの
体調が良いと感じられるときも、硬い食材には気をつけましょう。
自炊なら、固い食材の繊維をカットしたり、裏ごしやミキサーにかけたりと調整できますが、外食ではそれができません。
嚙み切れないような、「ムニムニ」したのもの、イカ・タコ・固い肉などは、避けましょう。
レンコン・ごぼうなどの根菜類、貝類・海藻・玄米・フランスパン・アルデンテパスタ、ドライフルーツ、ミックスナッツなども、気をつけたい食材ですが、
調理法により、消化・吸収しやすい形に変化していれば、選びやすくなるでしょう。
また、食材にアレルギーがある場合や、食べると毎回お腹の症状が出るものは、体調が良くても選ばないようにしましょう。
よく噛む
どんな形態であれ、その食材をしっかり咀嚼(そしゃく:噛むこと)してくださいね。
スープのような液体でも、噛むこと。そうすることで、消化酵素が含まれる唾液と食材が混じり合います。
唾液と混じるということは、食べ物・飲み物が、消化・吸収しやすい状態になるんですね。
一口「30回」が目安と言われますが、上限はありません。噛めば噛むほど、胃腸に優しいということを頭に入れておいてください。
時間をかける
よく噛むことの次に大切なことは、ゆったりとした気持ちで、時間をかけて食べましょう!です。
働く胃腸に、負担をかけないこと。一口食べたら、箸をおく。
場の雰囲気を楽しむ・会話を楽しむなど、積極的に時間をかけるようにして下さいネ!
お店・メニュー選び

お店選び
ファミリーレストランや居酒屋など、メニューが豊富なところが良いですね。
ビュッフェスタイルのように、内容・量を調整できるお店は、本当におすすめです。
うどん店や、回転寿司も人気があるようですよ。

成分表示がされていると、脂質管理がしやすいです!
脂質コッテリ系や・刺激強めのメニューは、体調が良くても控えましょう。あるいはグッと量を抑えらると良いですね。
お肉や乳製品はダメ! ラーメンやパスタもダメ! 洋食はダメ!という事ではありません。
- 脂質は一度に摂りすぎない・一日のトータルで調整すること
- 固いものは柔らかくすること
- 刺激物を控えること
- 体調に合わせ、形態や量を調整すること
- アレルギーやお腹に合わない食品を避けること
- よく噛んでゆっくり食べること

これらのお約束は、自炊でも外食でも同じです
あなたの胃腸に、負担をかける飲食をしないことが大切ですよ。
パスタやラーメン
パスタ
一食の脂質量がメニューによっては「30~50g」ありますので、サイズを調整しましょう。仲間と少しずつ分け合えば、いろいろな味を楽しめますね。
クリームやチーズ・バターをたっぷり使った、濃厚ソース系は配慮が必要でしょう。
トマトソース系のパスタ・釜揚げしらすや魚介系お出汁パスタの脂質は「10~15g」です。
オイル控えめの、スープ系のパスタはおすすめです。
脂質「10g以下」のパスタメニューなら、スープやサラダがついても安心ですね。

アルデンテ(固ゆで)は卒業しましょう!
ラーメン
パスタと同じように、スープはヘルシーなあっさり系がおすすめ。
塩・醤油ベースのシンプルなものですね。
好みがありますが、魚介ベースの煮干しラーメンはいかがでしょうか。
あっさり系でも、コショウが効いているものや、辛いものは控えてくださいね。

スープは、全部飲まないように!
血管を硬くする「塩分」が多いですからね。
うどん・そば
うどんは消化が良いのでおすすめ。専門店では、美味しそうなトッピングが並んでいますよね。
ハムカツ・ウインナー天の脂質は「15g前後」、
ちくわ・なす・さつまいも・えび・たまご・かしわ天は「5~9.4g」

天ぷらの種類は一つか二つに抑えましょうね。
そばは、不溶性の食物繊維が含まれます。消化の面ではうどんに劣りますので「噛まずに喉ごしを楽しむ!」という考えは、卒業しましょう。
飲み物

コーヒー・紅茶
カフェインに弱い方、また耐性があるかたでも、腸の調子が悪い時は、控える必要があります。
抗酸化作用のあるポリフェノールが、腸を刺激するからなんですね。
また、カルシウムの排泄を促すため、カルシウムの必要量を増加させます。
近頃コーヒーは健康作用が見直され、摂取をすすめる情報があふれていますが、潰瘍性大腸炎であることを忘れないように。
おすすめは、カフェインの少ない「紅茶」ですが、コーヒーの香りでリラックスしたり、作業がはかどったりと、好きな人にとっては、コーヒーは欠かせない飲み物ですよね。
- 量を少なくする
- 濃くないものを楽しむ
- カフェインレスを利用する
- 穀物ミルクや、牛乳をベースに風味を味わう
- 毎日は飲まない、など

依存しないように、気をつけましょうね
アルコール
アルコール摂取についての、一般的な指標は、一日の総エネルギーの「1.5%以内」です。
アルコールは、糖質と脂質の中間に位置しているため、それなりにカロリーがあるんですね。
例えば、総エネルギーが2000kcalの成人の場合でしたら、カクテルやワインなら1杯、ビールなら小瓶1本です。この量を超えると、アルコールの害が現れ始めるんですね。

注意する点は、気分が高揚し歯止めが効かなくなること、その心配がある人は、アルコール以外の飲み物へシフトしましょう。
アルコールに関しては、いくつもの見解があるようです。
適量のワインを除いた、全てのアルコールは下痢や再燃を起こしやすい!
寛解期で体調が落ち着いていれば、飲酒可能である!
いずれにしても、あなたの体調に合わせることが大切。適量でも、毎回お腹の調子が悪くなる場合は、控える必要があります。
ファミリーレストランで見かける、小さなグラスワインは「1杯120ml」。
実はこの大きさが粋なんですね。温度も量も、潰瘍性大腸炎に優しいサイズだと考えております。
アルコールを主役にするのではなく、脇役に。

冷たいアルコールをゴクゴク飲み干すことは、卒業しましょうね
その他
炭酸飲料は、胃腸に負担をかけるので控えましょう。
清涼飲料水については、「体調不良で食事が摂れない時」に利用するのは良いですが、常用しないように!砂糖・甘味料が多い飲み物に気をつけましょう。
また日頃から、常温や温かい飲み物をいただくようにし、注文する際は、氷なしでお願いしましょう。
食事も飲み物も、温かいほうが胃腸に優しいですから。
ジュースに関しては、100%、本物の果物や野菜からできているものをおすすめします。食物繊維・ビタミン・ミネラルを丸ごといただけますね。砂糖・シロップ入りのもは控えましょう。

牛乳に関しては次の記事をご覧ください!
牛乳は栄養満点です!アレルギーや、乳糖不耐症がなければ利用できます。
まとめ
今回は、「潰瘍性大腸炎の外食について」のアドバイスをお伝えしてきました。
寛解期で体調が落ち着いていれば、外食は可能です。
コロナ禍の今、お家で楽しむという選択もありますが、仲間と会話を楽しむ時間、独りきりで過ごす特別な時間というのは、あなたの心に良い影響をもたらします。
ぜひですね、明るい気持ちで出かけて欲しいと思っています。

それでは、いってらっしゃい!

今日もありがとうございました。